麗しき主婦道

主婦er 〜麗しき主婦道〜

「絶望名人カフカの人生論」を読む 1時間

2015.8.1

P1170592

【平松画伯から本が届いた】

 

このHPのイラストを描いてくれている

平松昭子さん(敬称:画伯)が、本を出したので今日は、それを紹介しよう。

・・・と、その前に、このHP、右上の『イラスト 平松昭子』をクリックしてみて欲しい。

BLOGの、めちゃオシャレな世界に、ウットリすること間違いなし!!

 

 

 話を戻して・・。

画伯の新刊のタイトルは、「絶望名人カフカの人生論」。

 

主婦は、ダメ男が好き!

そんなフレーズが、ポンと頭の中に思い浮かんだ。

 

 

本を読むと、カフカのダメ男ぶりに唖然とする。

 

何てたって、カフカは

「いちばんうまくできるのは、

倒れたままでいることです」と言う男。

 

誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、

誰よりも前に進もうとしなかった人間だと、編訳をされた頭木弘樹さんは言う。

 

ダメすぎでしょ!!

 

「ちょっとぉ! しっかりしなさいよっ!」と、お尻をビシバシ叩きたくなる。

そういうの、主婦(おかんとも言う)は、好きだったりする。

 

暑くて、全く家事をする気にならない自分に軽く自己嫌悪になったとして。

傍らに、ダメ男。

「ちょっとぉ! アンタ、しっかりしなさいよっ!」と

ダメ男をサウンドバッグのようにボコボコにして、おもむろに立ち上がり、家事に勤しむ。

 

実際にやっていたら、それはそれでダメだけど、相手は本の中の男。

許されるでしょ!?

 

 

画伯の画風が、いや画伯自身のスピリットが

これまたカフカにピッタリとマッチしている。

 

「朝ベッドで目覚めると虫になっていた」という冒頭フレーズで

作品をスタートさせるカフカ。

 

いつも、「こうきたか!」と、

ダルマ落としのようにスコンと私の意表を突いてくれる画伯。

 

この二人は、私の中でピッタリと一致して、

画伯にカフカの漫画を描いてもらうことを思いついた人のセンスに脱帽した。

 

 

食卓の上に、「絶望名人カフカの人生論」を置いておいたら、

中学3年の長男が、興味を示していた。

 

シメシメ・・・。

 

思春期なお年頃なので、「読んでみなー!」とか「どうだった?」とか。

そういうことはエチケットとして言わないけれど、

彼がカフカに出会うキッカケを作ってあげられて良かった。

 

トルストイが、嫁と喧嘩して家出、駅舎で寝泊まりしている時に死んじゃっていたり、

森鴎外の最後の言葉は、「バカバカしい」だったり。

 

文豪と言われる人の、三面記事的なエピソードは、

歴史上の偉人に親しむ、大きなキッカケになる。

 

世界文学全集の中でカフカで出会うより、

今回の出会いの方が、息子にとっての財産となることだろう。