麗しき主婦道

主婦er 〜麗しき主婦道〜

ビオラレッスン(第81回)に行く 2時間

2015.7.4

 P1170368

【モーツアルトのパパが書いた本】

 

まず、上記の写真の著者に注目して欲しい。

レオポルド・モーツアルトと書いてある。

この人は、モーツアルトのパパである。

 

モーツアルトのパパが書いた「バイオリン奏法」という本は、

世界で最初のバイオリン奏法の本だと言われている。

 

以下、「バイオリン奏法」より抜粋

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バイオリン奏法について

 

おそらく、このレオポルド・モーツアルトの「バイオリン奏法」は、

世界で最初のバイオリン奏法の本ではないでしょうか?

 

偉大なるモーツアルトを育てあげたお父さんとして、レオポルド・モーツアルトが

いかに優れた音楽家であり、また、教育者でもあったことかが、ひしひしとうなずかれます。

 

今回、この珍しい貴重な本が出版されたことは、とてもうれしく、また有意義なことだと

思います。

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私のビオラの先生である、渡部啓三先生は、レッスンに行くと、最初に必ずお茶を出して下さる。

先生が学生時代、レッスンに通っていた先生の奥様が

レッスンの前にお紅茶を淹れて下さったそうだ。

 

「レッスンの前に、お茶を飲むっていうのが、

『ああ、いいものだな』と思ったの」ということから

渡部啓三先生の弟子の私達も、その恩恵を受けている。

 

レッスン前のお茶の時間に、先生とお話する中で、

「ビオラを弾くということと、ビオラを教えるということは、違うことである」

といった話になった。

 

そこから話が展開して、弦楽器の教授法の歴史をお話して下さった中で、

上記の本を見せて頂いたのだ。

 

 

 お次は、こちら。

P1170380

【カール・フレッシュ著 ヴァイオリン演奏の技法】

 

こちらも、弦楽器教授法の歴史という視点でみると、歴史的な1冊だそう。

「昔は、教授法の本といえば、これしかなかったの。

この本の前は、上下巻に別れていない同じ内容の分厚い本が

1冊あっただけなのよ」と、渡部先生。

 

中身を見せて頂くと、いたるところにマーカーラインが引いてあり

この御本を先生がいかに読み込んだか? が伝わってくる。

 

先生が国立音楽大学で教え始めたのは、まだNHK交響楽団に在籍していた頃。

今から40年ほど前の話である。

 

激務(オーケストラの楽団員は激務だ!)の合間に時間を見つけて

教授法を学ばれていた先生の姿勢に頭が下がる。

 

P1170382

【先生の努力が伝わってくる、色褪せたマーカーライン】

 

 

お次は、こちら。

 

P1170383

【イヴァン ガラミアン著 ヴァイオリン奏法と指導の原理 】

 

表紙だと判りづらいので、中身の写真も撮った。

P1170384

 

こちらは、今でもアマゾンで買えるが

アマゾンのレビューを読むと、いかに名著かが伝わってくる。

 以下、アマゾンのレビューより抜粋

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◇1件目

 ・真面目にヴァイオリンを習得しようとした場合
・真面目にヴァイオリンを教えなければならない場合
きちんとした理論が欲しくなりますが、この本はそうしたきちんとした理論の代表格のようなものです。値段は大変高く、訳も古く、本の体裁もとてもお堅いですが、ヴァイオリン教育業界では知らぬ者のないイヴァン・ガラミアンの著作とあれば、当てはまる人は参照して研究するべきでしょう。訳を出した「アカンサス弦楽研究会」とは、東京藝術大学の昭和40年当時のヴァイオリン科の教官たちらしく、中には音階教本やNHKの「ヴァイオリンのおけいこ」で知られた山岡耕筰がおり、きわめてきちんとしています。

◇2件目
VNの技術を追求していくと、結局はガラミアンにたどり着くのではないのでしょうか。
大変参考になります。最も開く指導書の一冊です。
特に弓の使い方は分かりやすく詳しいので、これを読んで演奏会などに行くととても勉強になりお勧めです。

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お次は、こちら。

 

P1170376

【鷲見三郎著 ヴァイオリンのおけいこ】

こちらは、「日本で初めてのヴァイオリン教授法の教本」だ。

この本に、江藤俊哉さんが序文を寄せている。

 

江藤俊哉さんは、「 日本における20世紀最高のヴァイオリニスト」(byウェキペディア)と

言われている人だ。

 

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鷲見先生の生涯のご研究の結晶がここにある。

いかにヴァイオリンを愛して、そのためのみに生きてこられたかが、

生き生きと描かれていて、心が温まるのを憶える。

(中略)

私達ヴァイオリニストにとって、

非常に貴重な文献の誕生を心から感謝したい。

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渡部啓三先生のレッスン室は、ひとつの壁面が、ほぼ、本棚。

この本棚から、こういった名著を、どんどん出して見せて下さる。

この時間を、幸せといわずして、何と言おう?

 

それとともに思うのだ。

今は、当たり前のように弦楽器を学べているが、

それは道なき道を歩いて下さった先人たちがいるからこそ!

そういった歴史に想いを馳せると、気が遠くなる。

 

 

今、この時代に、ビオラを学べることに

心から感謝したい気持ちになる。