2020.11.24
手放すのに最も心穏やかなのは、「壊れた」時だろう。
それも、修理の余地がない感じで。
ポックリ逝く。そんな感じの、
唐突感だった。
この琺瑯の鍋を買ったのは、小樽(北海道)のショッピングモールだ。
当時、夫の転勤で札幌に住んでいて、子供たちを連れて
ドライブに行った時に買った気がする。
幼い息子たちを手をひいて、ショッピングモールを歩いて
「あ、かわいい!」と、この鍋を手にとった日のこと。
日々の生活の中で、この鍋を使った時のこと
~サラダにいれる人参を塩ゆでする時に使ったなぁ、などと~、
そんなことを思い出す。
こうして、ゆっくりと思い出に浸ることができるのは、
鍋が、ポックリ逝ってくれたからだ。
いつもは、「修理したら、使えるかもしれない」とか
「また気分が変わったら、使えるかもしれない」とか。
そういった気持ちを振り切るのに精一杯で、
思い出に浸っている余裕は、あんまりない。
自称、「要らないものは、即座に手放したい星人」だけれど、
まだまだ修行が足りませんなぁ。
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