麗しき主婦道

主婦er 〜麗しき主婦道〜

「こころ」を育ててくれたアテナでの学び

2023.3.20

★ 吉祥寺にある「アテナ進学ゼミ」の中学受験体験記(保護者編)に寄稿した原稿を、こちらに再掲載しています。オリジナルは、コチラ。

「合格体験記」ではなく「中学受験体験記」

この欄は「合格体験記」ではなく、「中学受験体験記」だ。宮本先生は常日頃から、「『希望中学の合格』を目指すだけでなく、中学受験という体験そのものを人生の糧にして欲しい」とおっしゃっている。そんな、宮本先生らしいタイトルだと思う。そこで「中学受験体験記」を書くにあたり、第一希望校であった武蔵不合格のところから話を初めてみる。

2月2日 第一希望校、武蔵不合格


我が家には、今年度の受験生だった双子の他に、4歳年上の長男がいる。宮本先生のご指導のもと、兄は、第一希望校の武蔵に合格。兄の武蔵生活は、実に楽しそうだ。弟たちは武蔵に足を運ぶ機会も多く、兄の友人である武蔵生が自宅に来ることもある。そんな家庭環境だったので、次男はアテナに入った当初から「武蔵に行く!」と言っていた。慎重派の三男は、当初こそ武蔵を第一希望校に掲げることに躊躇していたが、勉強に意欲と自信が出てきた5年生頃から武蔵受験を意識し始めたようだ。そんな我が家の中学受験は、「武蔵ありき」だった。それなのに・・。


2月2日、午後5時。双子と合格発表を見に行った夫から、電話が入った。「二人とも、ダメだったよ」。「わかりました。双子は、どうしている?」「泣いているよ、ずっと」「そう。気をつけて帰ってきてね。夜ご飯は、お鍋。みんなでゆっくり食べよう」。帰宅した時には、双子は泣き止んでいた。夕食後、自分達から「よし! 明日の、受験票のセット始めるね」と、食卓から立ち上がった。

2月3日 暁星受験、桐朋発表


2月3日は、暁星受験の日だった。第一希望校不合格の翌日、しかも2月校の合格がひとつもない中での最終受験日だ。「息子達に、何と声を掛けようか?」と思いながら朝食の用意をしていると、二人は自然に起きてきた。いつも通りの朝。敢えて、淡々と試験会場に送りだした。

暁星の受験後、双子は父親と一緒に桐朋の発表を見に行った。自宅で待機していた私に、夫から連絡が入る。電話口に出た次男の「ママ、桐朋もダメだった」と心細そうな声。私は「大丈夫! あなたの第二希望の暁星が残っているからね!」と、無我夢中で声を掛けた。次に電話口に出た三男は、「僕は大丈夫だったんだけど、受験票を家に忘れてきちゃったの」と言う。


桐朋は、午後2時~4時の間に受験票と入学手続き書類を交換しなければならない。時計を見ると午後2時半。桐朋までは1時間かかるので慌てて受験票を探し出し、普段着のまま家を飛び出した。国立の駅からは、タクシーに乗ることにした。タクシーが走り出すと、国立大学通りの景色が目に入ってきた。真っすぐの広い道の両脇には、桜の木。「これからは、桐朋の保護者としてこの景色を眺めることになるんだ」と思ったら、やっと嬉しさがこみ上げてきた。この日のことで特筆したいのは、桐朋が不合格だった次男が、合格した三男に対して、「第二希望合格、おめでとう!」と拍手をして言えたことだ。

2月4日暁星発表


2月4日、暁星の発表日。九段下の駅を降りて暁星までの道は、少し坂道になっている。坂道のためなのか、足がなかなか前に進まず、もどかしい。 暁星の門を入ると、一足先に、夫と合格発表を見に行っていた次男のニコニコした顔が目に入った。「どうだった?」「合格したよ」。「本当? 本当なの???」涙が溢れてきた。宮本先生にすぐさま電話した。「先生、ありました、受験番号。合格しましたっ!」。今までの緊張が安堵に変わり、目の前の地面が歪んでみえるほど、私は泣き崩れてしまった。

三人三様の学校に通うということ


ドラマチックな合格発表から、はや2週間。入学者説明会も終わった今、あらためて思うのは、「我が家的には、これがベストの受験結果だったんだ」ということだ。

双子は「武蔵不合格」という体験を得て、武蔵生である「兄ちゃん」に対しての尊敬が深まったようだ。この体験は、今後の兄弟関係に良い作用がある気がしている。自由人の次男は家庭的なミッション・スクールの暁星で丁寧に。慎重な三男は、自由闊達な桐朋でのびのびと。それぞれの個性を補完して頂けそうな学校にご縁ができたことを、嬉しく思う。

さて。ここで双子が「中学受験体験記」を書き終えたようなので、目を通して思ったことを書く。

中学受験で培ったのは、レジリエンス


レジリエンスとは、心の回復力、しなやかさのことをいう。人生には、思うようにいかないことが山ほどある。そんな時、現実に向き合い、「この失敗から学べることは何だろう?」と前向きに善後策を考えられる心のありようのことをレジリエンスという。私が息子達に、最もつけて欲しい力のひとつである。


彼らの中学受験体験記を読むと、武蔵不合格という体験から立ち直っている姿が、それぞれの言葉で綴られている。「僕は、この受験で努力は裏切らないということを学びました」(次男)、「先生の、『果敢に立ち向かっていった二人を私は誇りに思います』という言葉で明日がんばろうと気持ちを切り替えることができました」(三男)。

なぜ、アテナでレジリエンスが育つのか?


では、なぜアテナでレジリエンスが育ったのだろうか? 三男は、こんなふうにも書いている。「外部模試の結果が悪いたびに先生は、『次がんばろう』と声を掛けてくれ、その言葉が僕にとっての唯一の励ましとなった」。


唯一の励まし! よほど先生の言葉が、息子の心に響いていたのだろう。ある時、宮本先生は、「教えるということは、根気です」とおっしゃっていた。息子たちがテストで思うような結果が出せなかった時、先生は具体的で的確な励ましを、都度、都度、根気強くして下さったのだと思う。先生の励ましで気持ちを立て直し、アドバイスに従って勉強して「成績が上がるという結果」を出せた。その成功体験の繰り返しが、彼らのレジリエンスを育ててくれたのだと感じている。

好奇心を刺激する授業


宮本先生は、よく保護者宛にメールを下さる。「今日、先生からメールあった?」。毎日、学校から帰ってくると、開口一番、必ず彼らが言っていたセリフだ。「宮本先生の言葉は、一言も聞き漏らしたくない」という気迫すら感じた。保護者として宮本先生の授業を受けさせて頂くと、好奇心を刺激しながら、息つく暇もないほどの授業展開に、「これは、子どもが夢中になるはずだわ」と、納得した。


アテナでは、しゃかりかクラブのように実体験から学ぶ機会も多く設けられている。座学に留まることなく、「学びたい!」と思う根っ子になる心(好奇心)を、実体験を交えながら手間ひまかけて丁寧に育てて頂いたと感じている。子どもは、正直だ。魅力的な授業をしつつ、全身全霊で自分に向き合ってくれる先生のことが大好きだった。「学びの手ほどき」を、そんな宮本先生にして頂けたことは、とてもラッキーだったと思う。

個人塾なので、相性の見極めは冷静に!


宮本先生を褒めまくってしまったので、最後に少し言葉を足しておきたい。宮本先生は、個性的な方なので、相性の良し悪しはあると思う。アテナは、宮本先生が個人で経営されている塾なので、この「相性」は冷静に見極めた方が良いのではないか? と感じる。


我が家は、相性が良かった。何より、宮本先生に教えて頂いて、子ども達が「あと伸び」した。長男は、武蔵に首の皮一枚という感じで突っ込んでもらったが、入学後にグンと伸びた。双子の最後1カ月のラストスパートも、壮観だった。「受験生」という車の運転席に座り、アクセルを踏み、前だけを見て駆け抜けた彼らの姿を見ることができて、私は「アテナでの中学受験体験」に、とても満足している。長男の受験の時から数えれば、足掛け5年、本当にお世話になりました!