2023.4.25
私は野球選手の名前、大谷翔平くらいしか知らない。
「嗜まない」ということは、そういうことだと思う。
クラシック音楽を嗜まない人でも知っている指揮者は、小澤征爾さんくらいだろうか?
飯守泰次郎先生は、クラシック音楽を嗜む人なら誰もが知っている。
なんせ、「飯守泰次郎のブルックナー」だもんね。。。
サントリーホールで「自分の名前が冠となる演奏会」を開催できる人って、日本に何人いるのだろう?
要は、日本屈指の指揮者ってことです。
オタクついでに語らせて頂くと、飯守泰次郎先生といえば、ワーグナーの指揮者として名高い。
ワーグナーはドイツの作曲家だが、ウィキペディアによれば、こんな感じ。
理論家、文筆家としても知られ、音楽界だけでなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人の一人
今の時代で言ったら、ホリエモンが作曲している感じかな?
小室哲哉っていうよりも、ホリエモンです。
ワーグナーは、「音楽」という領域に収まらず、時代を引っ張っていたイメージの人だから。
そんなワーグナーの楽曲には熱烈なファンがいて、そういう人々のことを「ワグネリアン」という。
ちなみに、1901年に創立された慶応義塾大学のオーケストラは、「ワグネル・ソサィエティー」だ。
1901年って、明治34年です。そんな時代に弦楽器を弾いていた人たちって、どんな人だったんだろう? (安定の脱線)
話をブルックナーに戻し。
ブルックナーはオーストリアの作曲家で、ワーグナーに強い影響を受けている。
系譜的に考えて、泰次郎先生の演目に、「ブルックナーがいる」のは、「そりゃ、そうだ」と、思った。
演奏会は、午後7時スタートだった。
サントリーホールに六時半には到着して、演奏会が始まる前の時間を堪能する。
演奏会前の、この入口の感じ、アガるぅ~。
パンフレットを熟読し、演奏会が始まる前に調弦している様子なんぞを垣間見る。
はぁ。この空間に身を置いているだけで、幸せ。(スーハ―深呼吸している感じ)
サントリーホールに前回来たのは、自分が演奏する側だった。(自慢です)
サントリーホールで演奏できたのは「冥土の土産案件」で、舞台から観客席を見た景色というのは一生忘れない! (だから「冥土の土産案件」なのだ)
けれども、私が見慣れている「サントリーホールの景色」は、やっぱり観客側の画角だわ。(当たり前だ!) こっちの方が、落ち着く。
ブルックナーの4番は、ホルンの旋律と弦楽器のトレモロから始まるのだが、「うわっ! トレモロの層が厚い」と、思った。
ブルックナーのトレモロは、俗に「原始霧」と呼ばれる。
演奏開始直後に濃~い 原始霧 に包まれて、私は、あっという間にブルックナーの音楽の中に連れて行かれた。
今回の演奏会の演目は、ブルックナーの4番の1本勝負。途中休憩はなく、1時間、ノンストップ!!
でも、楽章の間で、演奏が一度、休まるので、かろうじて、そこで我に返る。
反対に言えば、その時間以外は、サントリーホールの観客とオーケストラが一体となって、どこか遠い宇宙空間にいるような感じだった。
そのエネルギーの中心で、泰次郎先生が粛々と指揮を振っていらした。
演奏中、時々、ふっと正気に戻って、その瞬間の「泰次郎先生が指揮を振っていらっしゃる姿」が、脳裏に焼きついた。
これが、飯守泰次郎のブルックナーか!
能を見に行った時、「能は、舞台の上で表現するというよりも、その場を掌握するために舞うものだ」ということを学んだ。詳しくは、コチラ。
泰次郎先生の指揮は、そんなことを思い出す境地だった。
演奏している側にいる時、本番で時々、宇宙空間的なものを感じるが、観客として、ここまで演奏に巻き込まれたのは初めてだ。
泰次郎先生は、紫綬褒章も受けていらっしゃるし、文化功労者でもある。
「国宝級というのは、こういうことなんだ」と、体感させて頂いた感じ。
いやいや、すごかった!!!
今回の演奏会は、このブログにもたびたび登場する寵子さんに御招待して頂いた。
寵子さんは泰次郎先生の姪っ子にあたり、現在、マネージメントの大半を引き受けているそうだ。
寵子さん、眩い世界を見せてくれて、どうもありがとう!!!
あんなキラキラした世界に足を突っ込んでいるのに、「ぴかり~ん!」と気さくに声をかけてくれる寵子さん、すごい!
「お世話が大好き!」と言う寵子さんが私の世話も焼いてくれている話は、下記です。
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