月別アーカイブ: 2025年10月

じーじが86歳になった日、私は「記録する娘」になった

私の実の両親と一緒に

両親ともに元気で86歳を迎えることができる幸せ

昨日は、私の実家の父の86歳の誕生日だった。思いたって、こんなことを調べてみた。

平均寿命が男性:81.09歳/女性:87.14歳。 

健康寿命が男性:72.57歳/女性:75.45歳 でした。

数字から考えると、両親ともに元気で86歳を迎えてくれたことは、有難い(なかなかないこと)に他ならない。

神様、ありがとうございます!

会食で楢戸家の歴史を録音

会食の席では、楢戸家の歴史を録音しておくことにした。音声データをファイルとして残すこともできるし、それを文字化(テープ起こし)、原稿化もできる。

両親が最初に家を買った時に、どう思ったのか。幼い頃の思い出とともに、話をした。父は高度成長期時代のサラリーマンで人生を振り返ることなんてしなかった。やがて私は結婚し、家庭を持って子どもが生まれて‥‥と、ここまできました。

「オリジナル家族のことを意外と知らないのかも!?」と感じ、意識して記録をとっておこうと思い始めています。

両親との時間を記録に残す

この日は父の車で新宿までお出かけ。


子どもたちが小さかった頃は「連れて行くのが大変だから」という理由で、そして子どもたちが大きくなってからは「高齢の両親の外出が大変かな?」という理由で、ずっと私の自宅で“じーじの誕生会”をしていた。

ブログには「非公開」でその記録を残していた。(こんな感じ)

これからはせっかくだから、両親とおいしいお店に出かけて、その時間を記していこうと思う。

「おいしいお店、たくさん行こうね!」そう声をかけたら、ばーばがとても嬉しそうに笑ってくれた。

ちなみに——56歳の娘はいまだに外食の時は「親の脛かじり」。
でも、それもまた“娘の務め”のひとつかな、なんて思っている。

会食をしたお店が入っている新宿住友ビルの1階にて

シャキッと背筋が伸びた父。それに寄り添う母。こんな両親の姿が素敵だと思うし、嬉しい。

京懐石 みのきち 新宿住友店

我が家は、私が中学・高校時代に京都に住んでいた。住んでいた家から、自転車で10分くらい走ると平安神宮があった。南禅寺と平安神宮の間に、京懐石みのきちさんの本店はある。

南禅寺は紅葉の名所で、父に連れていってもらったことを、この日、会食をしながら思い出した。(そんなこと、今まで全く思い出したこともなかったけれども)

前菜

季節の彩り

これぞ京懐石!

お椀

お椀

松茸土瓶蒸し 鱧、銀杏、みつば、すだち

どびんでお汁を味わいます

お造り

本日のお造り

左側に小さい寿司飯が。好きなお魚を手巻きにして食べることができます。

ハッピーバースデー

お豆腐でサプライズ!(笑)

お誕生日っぽいものを! と、お店についてからお願いしたら、こんなサプライズをして下さいました。(別途料金がかかります)

全個室なので、中居さんも一緒にハッピーバースデーを歌って下さって、和やかに父のお誕生日をお祝いできて嬉しかった。

鉢物

秋茄子の煮物

上品なお味で秋茄子だから、しっとりしていて、美味しかった。

お肉

黒毛和牛照り焼き

もう、この頃になってくるとお腹一杯! フレンチだと、お魚とお肉を食べきれない年齢になった私には、「ほんの少し」が助かるし嬉しい。

御飯

松茸ごはん

土鍋で炊いた松茸ごはん。松茸の香りがする~!

デザート

くずきりと果物

抹茶と一緒に自家製のくずきりを。今回のコースで最も印象に残ったのは、このくずきりだったかも!というおいしさでした。

ごちそうさまでした!

「日常を一歩、はみ出す。」——50代からの行動メモ

50代になった今こそ、「日常を一歩、はみだす」練習をしてみよう。
慣れたやり方や、守るべきだと思い込んでいる枠を、少しずつゆるめていく。
そこから、新しい景色が見えてくるかもしれない。

このメモは、そんな私の「はみだしの記録」です。

次回

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ホームパーティーの翌朝ルーティーン

「日常を一歩、はみ出す。」——50代からの行動メモ

このシリーズの全記事をまとめました → コチラ

ホームパーティーの翌朝ルーティーン

ホームパーティーの翌朝ルーティン

昨日は、漫画家のひうらさとるさん、その担当編集者のともこさん、文筆家の芳麗さんが遊びに来てくれました。

ホームパーティの翌朝、ザっと洗っておいた来客用の食器やワイングラスを丁寧に洗い直す時間が好き。余韻を楽しんでいるのだと思う。

撮影は、私の活動全てのアートワークをお任せしている進藤一茂さんにお願いしました。

「ホームパーティ、よくやれるね」と言われることが多いので、その準備(舞台裏)を撮影して頂こうと招聘しました。

いずか「簡単ポムパ開催術」をブログで発表します。

「気合をいれておいしいお店に食べに行く!」ということも大好きだけれど、ホムパという選択肢を持っておくと、交友関係は豊かに深くなると思う。

お仕事も少し・・・

当日は、YouTubeやvoicyの収録もしたので、公開されたら、随時、こちらでお知らせします。

「日常を一歩、はみ出す。」——50代からの行動メモ

50代になった今こそ、「日常を一歩、はみだす」練習をしてみよう。
慣れたやり方や、守るべきだと思い込んでいる枠を、少しずつゆるめていく。
そこから、新しい景色が見えてくるかもしれない。

このメモは、そんな私の「はみだしの記録」です。

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50代主婦 北海道5泊6日の旅 

「日常を一歩、はみ出す。」——50代からの行動メモ

コチラ です。

「日常を一歩、はみ出す。」——50代からの行動メモ

50代になった今こそ、「日常を一歩、はみだす」練習をしてみよう。そこから、新しい景色が見えてくるかもしれない。このメモは、そんな私の「はみだしの記録」です。

2025.10.31 じーじが86歳になった日、私は「記録する娘」になった

2025.10.29 ホームパーティー翌朝ルーティン:余韻を味わう時間

保険と投資のディープな話、夫婦間の価値観のズレ、老後の不安との向き合い方 voicyでお話しました。

芳麗さんのvoicyでお話しました

放送へのリンクは、【コチラ】です。

生放送ということで、読者さんからのコメントを芳麗さんが読み上げつつ、という流れでした。

常日頃から、「お金のことを自然に話せる場ってないよなぁ」と思っていたので、そんな「場」を作ってくれた芳麗さんに感謝しかありません。

等身大のお金の話とは?

30年近く、文字を使って「お金のこと」を発信してきたけれども、リスナーさんとのやりとりがリアルタイムでできる場でお話することとは、全然、「発信してきたこと」とは内容が違った!

活字媒体を使って発信するとなると、どうしたって、「~が大切です」とか「~が重要です」みたいな、お手本ありき口調になってしまう。

だが、しかし。

リスナーさんとのやりとりを通じてだと、等身大の生活者として発信できるんだなと感じました。こうした発信が増えていけば、もっと肩の力を抜いた「お金の話」ができるんじゃないかな、と思いました。

〈目次〉2025年 voicy登壇記録

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【マネー】私のトンチンカン投資への道を楢戸さんに大告白!【前編】

〈目次〉2025年 voicy登壇記録

【コチラ】からご覧いただけます。

2025年 秋 大物布物の衣替え・1(30分)

大物布物の衣替えが楽になっている!

体感として(← ここ大事) 寝具とソファーカバーの衣替えが、「大仕事」ではなくなっていることに軽く感動していた。なぜか?

10分家事研究家と致しましては、10分に区切って考えてみよう。

1 大人用の寝具ブロックを出してきて布団カバーを取り換える。(10分)

2 上掛け布団カバーを取り換える。(10分)

3 上下のカバーを洗濯、干す。それを収納する。(10分)

10分×3コマ で、大人用の寝具の衣替えが終わった!

「大仕事ではない」という体感へのシフトは、ひとえに冒頭写真の如く「大物布物をブロックの如くに分けている」からだ。

「ソファー」と「子ども用寝具」のブロックも各30分(3コマ)を充当すると考えておけば、着手する時のヨイショ! という気分が和らぐ。というか、もはや、ヨイショ! という気持ちはない。

家事において、この「ヨイショ!」が億劫さの元凶なんだと思う。

夏用寝具のリニューアルを検討

夏用寝具カバーは、「新調した!」と思っていたけれども、ブログを調べてみると、7年前だった件。【コチラ】

7年前、私は、寝具カバーのリニューアルをするにあたり、こんな考察をしている。

自分が納得した寝具カバーを使うというのは、私にとっては、とても大切な「幸せのカタチ」だと思った。なぜ、3年も「もったいないから」と、我慢していたのか? マジで、謎。今となっては、謎。でも、多分、きちんと言語化してこなかったことが、問題なんだと思う。私は、納得した寝具カバーを使うことに大きな喜びを感じる。納得した寝具カバーを使うには、5万円かかる(時もある)。こんなふうに言語化し、気持ちの準備をしておけば、寝具カバーを新調することが、億劫ではなくなる。

次の寝具カバーへの考察

今年の夏、「あれ? 寝具カバーの様子が”ピカピカに嬉しい感じじゃない”」と感じた体感を記しておこう。

来年の夏、寝具カバーを新しくすることになるけれども。その前に、「通年、白の寝具カバーで良くないか?」と思っている。

ちなみに、私が狙っている「白の寝具カバー」は冬に使えるせいか、リネン系なのに秋冬にならないと売っていない(と、思う)。

これまでは柄を楽しんでいたけれども、そろそろ、寝具カバーは白のみ。「クッションでアクセントを楽しむ」という流れにしても良いのではないか? そんなことを考え始めている。

メンテナンス 更新記録・目次

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冷蔵庫ポケットの掃除(40分)

メンテナンス・コンテンツ目次

【コチラ】です。

ブラームス交響曲4番 3楽章・4楽章 弦分奏振り返り

12月上旬の演奏会まで1か月半となりました。本気だしてさらうための練習の振り返りなど。

3楽章

  • 10小節目 6連符は最初の三音をていねいに
  • 65小節目 弓先で小声、しとやかに
  • 123小節目 アクセントをつけずにVc,Cbに溶かす
  • 207小節目 Vn聞いて軽め

4楽章

  • 41小節目 Cbの伴走のつもりで弾く
  • 113小節目 Ob聴く
  • 176小節目 Vcから引き取り、Vnに渡す

学びの場に「行きたくない!」気持ちにどう向き合う?~花メンの林間合宿で一緒に学び、遊んできました【密着ルポ後編】

小学館への寄稿記事

掲題の内容を小学館「みんなの教育技術」に寄稿しました。【コチラ】

そして書籍の姿が見えてくる

「花メン密着を本にしよう!」ということで、只今、書籍を執筆中です。「書籍を書く」という営みは、取材対象に向かって深く根を張る行為のような気がする。

花メン密着は2年ほどしていて、取材ごとに、都度、できうる限り「そこにある事象」を言語化してきたつもりだ。

けれども、いざ「書籍」となると、根の張り方が足りないというか、ぐーっと考える力が足りていないような気がしてきた。書籍を「書ききる」ネルギー値まで、結晶していかないというか。

林間中、花メンのスタッフや子どもたちと文字通り寝食をともにしたからか、書籍の姿(の尻尾)が見えてきた気がした。もしかしたら、これまでの取材経験が「積もってきた時期」とタイミングが合っただけかもしれないけれど…。

そんな訳で、只今、絶賛、書籍執筆中です。

「執筆」って、筆に執念をかけるって感じの単語よね。。今、テキストを打ちながら改めて。

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子どもたちが劇的に成長する3泊4日! 花メンの林間合宿で、子どもたちと一緒に学び、遊んできました【密着ルポ前編】

不登校コンテンツ目次

【コチラ】になります。

子どもたちが劇的に成長する3泊4日! 花メンの林間合宿で、子どもたちと一緒に学び、遊んできました【密着ルポ前編】

小学館への寄稿記事

掲題の内容を小学館「みんなの教育技術」に寄稿しました。【コチラ】

脱稿後、安堵のために熱が出た

林間合宿に行くことにしたのは、今年の春でした。「行きます!」と名乗りをあげたものの、当方、齢56歳。小学生の3泊4日の全力の活動に体力的についていけるのか? というのは、ものすごぉ~く不安だった。

でも、「花メン密着」を名乗るのであれば、林間合宿に「行かない」という選択はありえない。「行くのであれば、1歳でも早い”今年”に行くしかない。今年よりも1歳年をとった来年の私は、余計辛くなるだけである」と、まぁ、か~なりの悲壮感が漂っていた本取材。

林間に行くことが決まった春先からスポーツクラブにできるだけ真面目に通い(当社比)、体力増進に勤しんだ。

スポーツクラブ通いのためか、思っていたよりも動けたのは嬉しかった。その流れの勢いのまま記事を書き終えたら、ガクっときました。

本記事を脱稿した途端、安堵のための熱を出すというね。。

どれだけ緊張していたんだろう? と、我ながら。感想は、【密着ルポ後編】に続きます。

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学びの場に「行きたくない!」気持ちにどう向き合う?~花メンの林間合宿で一緒に学び、遊んできました【密着ルポ後編】

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不登校の「沼」にはまって苦しむ親子。どうすれば抜け出せるのか?~事例から考える支援のポイント

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50代主婦 北海道5泊6日の旅 

札幌近郊の由仁町にあるユニガーデンにて

旅の翌日は終日寝倒す

一昨日の夜、北海道5泊6日の旅から戻ってきました。刺激モリモリの旅すぎて、昨日は終日寝倒していました。

今日は朝5時から活動しています。

旅のブログをゆっくり書きたい! と思いながらも、仕事が差し迫っているので、覚書のよーなメモを書いておこう。時間ができたら振り返りを書きたいと思う。

ニセコでのリトリート

ベランダにジャグジーがあるペントハウス

今回の旅の「メインイベント」は、ニセコでリトリートのセッションを受けることでした。地元の人曰く「ニセコの最高級ホテル」と言われているホテルの最上階のあるペントハウスが、その会場です。

コーチング界のレジェンド3名

今回、「コーチング」というものに人生で初めて触れました。教育記事を書くことにより、「人が育つこと」に興味があることに気がついた私ですが、「もしかしたら、私がやりたいことはコーチングなのかもなぁ」などと、うっすらと思った。

それにしても。こちらのコーチの素敵さといったら!!!! 「かく在りたい!」という雰囲気を漂わせているお三方にお会いできただけでも、はるばるニセコまで行った「かい」がありました。

札幌時間も楽しんだ

3連休をまたいで、5泊6日のうち、2泊がニセコ、3泊が札幌でした。札幌時間は、友人の能勢さんの家に滞在させてもらい、札幌時間を楽しんだ。

テレビ塔から大通り公園を見下ろす

初心に戻って!? テレビ塔にも上ってみました。

さえらのサンドイッチ

札幌大通りにある「さえら」は、サンドイッチの名店です。

コキアの紅葉

「コキア」ってご存じでしたか? 私は初見でした。

どう見ても可愛いやつ!

コキアと紅葉。これは見るべし!

一面のコキア。北海道の空との対比が美しい

mu-kichi吉祥寺 ~吉祥寺50代ヘアーカットの旅♯2~

吉祥寺に住む50代の私。旅に出るようなつもりで、吉祥寺のヘアサロン巡りをしてみようかなと思いつきました。そんな旅の記録。

mu-kichi吉祥寺さんの 飯塚七海さん

カットを担当して下さった飯塚さん。美容学校時代の話が,
超・面白かったです。

アットホームな雰囲気のmu-kichi吉祥寺さん。10月に入ってすぐだったのに、店内はハロウィングッズがたくさん! 

常連さんらしき方々が、スタッフと楽しそうにお話する姿が印象に残りました。吉祥寺駅から徒歩1分なのもすごい! 

カットは、こんな感じ

私の「定番ヘアスタイル」は、アシメトリーで、髪が長い方は刈り上げしています。なかなかに個性的な髪型だと思うのです。それだけに、スタイリストさんが、どんなふうに「解釈」してカットして下さるのか? ということに興味があります。

私の髪型の特徴である、左側のベリーショート部分、今回は攻めてもらいました。

後ろ

襟足は癖毛があるので刈り上げないようにお願いしました。

左側

最も個性が出るのは、左側。今回は、いい意味で「唐突な感じ」が気にいりました!

参考 前回のカット

左側
右側

右側も、スタイリストさんによって個性がでるものですねぇ。

参考 前回のカット

右側

吉祥寺を巡る旅 目次

遠野なぎ子さんの朗読と愛着障害 ~第 54回『音楽講座in武蔵』より~

元・武蔵高等学校中学校の校長の梶取弘昌先生が「武蔵の保護者(卒業生・在校生)」向けに、ズームで月1回、音楽講座を開催して下さっています。昨日の回は「詩から連想する音楽」がテーマでした。話を始める前に、音楽講座in武蔵のご案内をさせて下さい。

音楽講座 in 武蔵のご案内

冒頭にも書いた通り、武蔵音楽講座は月1回、ズームで行われています。参加費は、無料です。梶取先生の奥様のさよりさんも参加して下さり、毎回、音楽を中心にした様々な話題で1時間半ほどアットホームな楽しいおしゃべりをしています。

武蔵の卒業生・在校生の保護者であれば、どなたでも参加ができます。

ご興味のある方は、私宛にご連絡下さればお繋ぎします。連絡先は、コチラです。

武満徹の“系図 Family Tree“

15歳の遠野さん

今月は、「武満徹の”系図 Family Tree」について考え、鑑賞しました。この曲はニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念して委嘱され、1995年4月に英語版で世界初演されたそうです。日本語版舞台初演は、遠野凪子(当時の文字のまま)の語りと、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラにより、1995年9月7日サイトウ・キネン・フェスティバルで行われたそうです。【画像をクリックするとYou tubeに飛びます】

時として、演奏家が、こんなことを言う。「モーツアルトを演奏するなら、モーツアルトが意図した世界(音楽)を忠実に表現することこそ、演奏家の使命です」。

それに倣っていえば、遠野さんは、系図の歌詞を書いた谷川俊太郎さんの詩を、朗読している「だけ」である。自分も含めて舞台の上だと、無心な状態~「だけ」~ではいられない。「良く表現したい」みたいなエゴが入ってくるものだ。

けれども、遠野さんは、「だけ」で存在している。これは詩で表現されていることを理解する繊細さと、芸術に自分を投げ出せる純粋性を併せもっていないとできない芸当だと思う。

遠野さんと言えば、孤独死をされたイメージや、そこに至る生きづらさのようなものがクローズアップされがちだが、素晴らしい才能を持った女優さんだったと改めて思った。

愛着障害について考える

「才能だけでは人は生きられない」というのは、ギフテッドテーマをやっているとブチ当たる壁だ。宇多田ヒカルさんが、「人間としての修行をしなければ」みたいなことを言って、一時期、休業していたけれども賢い選択だと思う。

才能が豊かであれば、あるほど、それを支えるための土台が必要だ。いわば「人間としてのベース」のようなもの。この人間としてのベースを考える時、どうしたって遠野さんの育ち方を考えてしまう。

親ガチャという言葉と同じような”ノリ”で、最近、愛着障害という言葉をよく耳にする。教育現場では、発達障害というよりも愛着障害の方が多いのでは? といった議論が、随分前からされている。

【愛着について】発達心理学の視点からいうと、人間関係のもとである信頼関係づくりは、生まれて 2 歳ころまでの間に、質の高い保育者(通常は母子間)との間で形成される。
子供の側からいうと、この世の中は、安心、安全で、人は信じられると思えるかどうかで、
その後の他者との人間関係構築に大きく影響してくる。その母子間の基本的な信頼関係の
ことを「愛着」と呼び、人間が健全に発達するために欠かせない要素であり、安定した「愛着」は心の「安全基地(セキュアベース)」として機能することが知られている。

愛着障害は、この安全基地が持てていない状態を指す。遠野さんの生きづらさを思う時、どうしても愛着障害のことを考えてしまう。

・・・といったことを、「音楽講座」という場の感想で述べてみたワタクシです。多様な意見を言える場である音楽講座の懐の深さに、毎回、感謝しています。

『音楽講座 in 武蔵』 目次

『音楽講座 in 武蔵』の軌跡を目次にしていきましょう。コチラです。