2026.9.2

村田沙耶香さんが、芥川賞の新しい選考委員に就任するというニュースを見て、「わあ!」と思いました。
村田沙耶香さんは、私にとって「ずっと追いかけてきた作家」というわけではありません。新刊が出るたびに必ず読むわけでもない。でも、振り返ってみると、この10年、なぜか折々で気になってきた作家でした。
目次
主婦erには、2016年8月18日に書いた記事が残っています。夏休み、実家の両親と息子たちと鴨川へ向かう電車の中で読もうと、キオスクで『文藝春秋』を買い、芥川賞を受賞したばかりの『コンビニ人間』を読んだときの記事です。
読み返してみると、当時の私はかなり興奮している(笑)。「未来の手触り」「読後感は、スコーン!と、爽快だった」さらには、「ここまで夢中になって読んだのは、多和田葉子さんの『犬婿入り』ぶり」とまで書いています。
▶︎ 2016年8月18日
「鴨川読書報告(『近代文学と文学者』『コンビニ人間』)」
あれから10年。その間、村田さんの作品を、このHPを作ってくれているシンさんと語る会をしたこともありました。本屋さんへ行って、村田さんの新刊のハードカバーがドーンと一番目立つところに積まれていると、「おお!」と、なぜか私まで嬉しくなったり。
かと思えば、バラエティ番組に出演した村田さんがネット上で「痛々しい」と評されているのを目にして、勝手に心を痛めたり。知り合いでもないのに(笑)。そんなふうに村田沙耶香さんは、何となくずっと気になる作家でした。
2016年、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香さん。その村田さんが、10年後の2026年、今度は芥川賞の選考委員になりました。「選ばれた人」が、「選ぶ人」になる。その10年という時間に、なんだかしみじみしてしまいます。
2016年に鴨川へ向かう電車の中で『コンビニ人間』を夢中になって読んでいた自分がいて、その後も本屋で新刊を見つけては喜んだり、人と作品について語ったり、テレビに出れば気になったり。そんな小さな点々があって、今回のニュースにつながりました。だから、「村田沙耶香さんが芥川賞の選考委員に」というニュースが、私にはちょっと特別なニュースに感じられたのだと思います。
そして今回、もう一つ嬉しかったのが、10年前の自分の記事を読み返せたことです。
2016年の私は、『コンビニ人間』を読んで、「スコーン!と、爽快だった」と書いている。今だったら、もう少し説明しようとするかもしれません。でも、この「スコーン!」にこそ、あのときの私がいる気もします。
長くHPを書いていると、出来事だけではなく、自分が何に心を動かされ、誰を気にして、何を「好き!」と思っていたのかまで残っていくんですね。
10年前に「この人の小説、好きだな」と思った作家が、芥川賞を選ぶ人になった。村田沙耶香さん、芥川賞選考委員就任、おめでとうございます。これから村田さんが、どんな作品を選び、どんな言葉を残していくのか。楽しみにしています。
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