小川洋子「偶然の祝福」より

2016.6.13

言葉たちはみんな私の味方だ。

あやふやなもの、じれったいもの、臆病なもの、

何でもすべて形に変えてくれる。

ブルーブラックのインクで縁取られた、言葉という形に。

 

 

「書きたい」という欲求の根本を、すごく上手に表現している文章だと思った。

 

私が文章を書き始めたのは、24歳の頃。

会社に入って、あまりにも世の中のことがわからない自分。

 

自分が自分でいるために、

自分が安心して呼吸できるように

私から見える、混沌とした世界を、

私の中にある、混沌とした世界を、

言葉によって定義してみたい。

 

すごく切実な欲求だった。

 

この欲求こそが、私がライターでいる、いちばんの動機なのだと思う。