2016.1.15
「妊娠していますね」
お医者さんがエコーを見ながら言った時、
いちばん最初に頭をよぎったのは、仕事のことだった。
とっさに
「来週は遠くにロケに行くんです。
つわりがひどくなったら困るんですけど」と言ったことを覚えている。
すでにムカムカは始まっていて、仕事に差し障るのは
何としても避けたい! という気持ちが一番だった。
●
結局、その仕事は、途中で不正出血をして降板。
お腹にいた息子の、「僕のことを見て!」という精一杯の叫びだったのだろう。
初めての妊娠ということもあり、
「今後、私は仕事を続けていって良いのだろうか?」という気持ちになった。
妊娠中は、つわりがひどく、仕事どころではなかった。
仕事のことは気になりつつ、家で横になる生活。
●
私の生活は、激変した。
仕事中心だったのに、否応なく「妊婦であること」が中心の毎日。
お母さんになる私は、こんなに大変なのに、
お父さんになる夫の生活は、何ひとつ変わらない。
それが、どうしても許せなかった。
「妊娠すると、被害者意識100%になるから」と、
友達が言っていたけれど、その通り。
頭も体の中も不満がいっぱいで、
夫のちょっとした言動1滴が、爆発の引き金になる。
妊娠中は、喧嘩ばかりの毎日だった。
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