2025.10.2
元・武蔵高等学校中学校の校長の梶取弘昌先生が「武蔵の保護者(卒業生・在校生)」向けに、ズームで月1回、音楽講座を開催して下さっています。昨日の回は「詩から連想する音楽」がテーマでした。話を始める前に、音楽講座in武蔵のご案内をさせて下さい。
目次
冒頭にも書いた通り、武蔵音楽講座は月1回、ズームで行われています。参加費は、無料です。梶取先生の奥様のさよりさんも参加して下さり、毎回、音楽を中心にした様々な話題で1時間半ほどアットホームな楽しいおしゃべりをしています。
武蔵の卒業生・在校生の保護者であれば、どなたでも参加ができます。
ご興味のある方は、私宛にご連絡下さればお繋ぎします。連絡先は、コチラです。

今月は、「武満徹の”系図 Family Tree」について考え、鑑賞しました。この曲はニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念して委嘱され、1995年4月に英語版で世界初演されたそうです。日本語版舞台初演は、遠野凪子(当時の文字のまま)の語りと、小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラにより、1995年9月7日サイトウ・キネン・フェスティバルで行われたそうです。【画像をクリックするとYou tubeに飛びます】
時として、演奏家が、こんなことを言う。「モーツアルトを演奏するなら、モーツアルトが意図した世界(音楽)を忠実に表現することこそ、演奏家の使命です」。
それに倣っていえば、遠野さんは、系図の歌詞を書いた谷川俊太郎さんの詩を、朗読している「だけ」である。自分も含めて舞台の上だと、無心な状態~「だけ」~ではいられない。「良く表現したい」みたいなエゴが入ってくるものだ。
けれども、遠野さんは、「だけ」で存在している。これは詩で表現されていることを理解する繊細さと、芸術に自分を投げ出せる純粋性を併せもっていないとできない芸当だと思う。
遠野さんと言えば、孤独死をされたイメージや、そこに至る生きづらさのようなものがクローズアップされがちだが、素晴らしい才能を持った女優さんだったと改めて思った。
「才能だけでは人は生きられない」というのは、ギフテッドテーマをやっているとブチ当たる壁だ。宇多田ヒカルさんが、「人間としての修行をしなければ」みたいなことを言って、一時期、休業していたけれども賢い選択だと思う。
才能が豊かであれば、あるほど、それを支えるための土台が必要だ。いわば「人間としてのベース」のようなもの。この人間としてのベースを考える時、どうしたって遠野さんの育ち方を考えてしまう。
親ガチャという言葉と同じような”ノリ”で、最近、愛着障害という言葉をよく耳にする。教育現場では、発達障害というよりも愛着障害の方が多いのでは? といった議論が、随分前からされている。
【愛着について】発達心理学の視点からいうと、人間関係のもとである信頼関係づくりは、生まれて 2 歳ころまでの間に、質の高い保育者(通常は母子間)との間で形成される。
子供の側からいうと、この世の中は、安心、安全で、人は信じられると思えるかどうかで、
その後の他者との人間関係構築に大きく影響してくる。その母子間の基本的な信頼関係の
ことを「愛着」と呼び、人間が健全に発達するために欠かせない要素であり、安定した「愛着」は心の「安全基地(セキュアベース)」として機能することが知られている。
愛着障害は、この安全基地が持てていない状態を指す。遠野さんの生きづらさを思う時、どうしても愛着障害のことを考えてしまう。
・・・といったことを、「音楽講座」という場の感想で述べてみたワタクシです。多様な意見を言える場である音楽講座の懐の深さに、毎回、感謝しています。
『音楽講座 in 武蔵』の軌跡を目次にしていきましょう。コチラです。
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