小川奈緒さんの新刊『家で整う』がくれた「50代の時間割」

2026.3.11

「読み始めの儀」は銀座の大好きな喫茶店「凛」さんで

私は、「これぞ!」と思う本を開く瞬間を大切にしています。いわば、「読み始めの儀」。すぐにページをめくるのではなく、まずは表紙を眺め、背表紙を見て、本全体の佇まいを味わいます。それから、ゆっくりと最初のページを開きます。

装丁が美しい本

先日、小川奈緒さんの新刊『家で整う』が届きました。装丁が素敵すぎて、手に取った瞬間、「わぁぁぁ」と声を上げてしまいました。

早速、本棚に並べてみたところ、背表紙のグレーが効いている! 私の本棚は教育やお金の本が多く、背表紙の大半が白。その中でグレーの背表紙に黄色の文字が、めちゃくちゃ目立っています。

このグレー、実は私の大好きな色です。そこに黄色を入れるセンスや、表紙の扉の写真、そして「住まいも、心と体も巡りよく」というキャッチコピーまで。まだ本を開く前から、すっかり心をつかまれてしまいました。

図書館で「住まい系の本棚」に直行するタイプの私にとって、この分野の著者の方から本をお送りいただけたことは、とても嬉しい出来事でした。

「家」と再び向き合う時間に

「読み始めの儀」を終え、本を読み進めていくと、「家への想い」が、沸々と湧いてくるのを感じました。

私はいま、築40年の中古住宅をリフォームしながら暮らしています。前述の通り、住まい系の本は大好物ですし、こうしたことを考えるのも大好きです。

けれど実は、ここ最近、少し疲れを感じていました。

5人家族だった我が家も、長男が独立し、次男と三男は大学3年生。二人も、いずれ巣立っていきます。

そうなった時、夫婦二人には少し大きすぎるこの家を、私はこれからも慈しみながら暮らしていけるだろうか? と、考えることが増えてきました。

古い家は、手をかけていないとあっという間に「うらぶれた雰囲気」になってしまう側面があります。「これから先も、この家に手をかけ続けていく気力が、私にはあるのだろうか?」と。

60代を前にして、夫婦二人で暮らしやすいコンパクトなマンションに引っ越した方がいいのではないか――。そんな選択肢も、頭のどこかで首をもたげていました。

けれども、奈緒さんの家を慈しみながら暮らしている様子を綴った文章や写真を見て、「そうだ。”家が好き”って、こういう感じだった」と、思い出しました。

最も印象に残ったシーンは、サイドテーブルの記述です。

上/引き出し下のカゴにはドライヤーとブランケット。毎晩お風呂上りにここで髪を乾かすため、置き場所としてはベスト。

どうやらそのサイドテーブルは、吉村順三さんの「たためる椅子」の横にある模様です。(ストーカーばりに本で調べてしまいました……)

「そうか、リビングでゆっくり髪を乾かしてもいいんだ!」

そう思って、実際に、「我が家のリビングで髪を乾かすとしたら?」という問いをもとに、将来のソファー置き場に座ってみました。

こんな景色、見たことなかった。。。

目の前に広がっていたのは、私が見たことのないリビングの姿でした。「こんな画角でリビングを見たこと、なかったな」と、自分でも驚きました。

息子たちと一緒に夕食を食べなくなってから、リビング(ダイニング)を「無駄に広い空間」と感じることも、しばしば。

夕食を私一人で食べる平日の夜、わざわざリビングを暖房で温め直すのも環境に申し訳ない気持ちがあって、冬場は床暖房のある台所に椅子を持ち込み、「一人夕飯」をすることも多かった、今日この頃。

何のための人生なんだ――。

ルーティンというのは恐ろしいもので、こんな「きっかけ」でもないと、自分の暮らし方を俯瞰して見ることができないのです。

奈緒さん、良い「きっかけ」をありがとうございます!

奈緒さんの今回の本は、「朝」「午前」「午後」「夜」というふうに、時間軸にそって進んでいきます。

とりわけ私が気になったのは「夜」の時間の過ごし方です。

楽器(ビオラ)の練習を夜にする私は、「リビングでゆっくりする時間があるのだったら、楽器の練習をせねば!」 みたいな気持ちがあったのかもしれない。

入浴 → ドライヤーをゆっくりかける。そこから夜の時間の豊かな広がりを、ちょっとだけ意識してみよう! 不眠気味の私には、とっても・とっても大切なことかもしれない、そう思いました。

家での過ごし方を少し変えるだけで、一日の時間の使い方の意識まで変わっていくのだと感じました。

50代の時間割

奈緒さんと、「50代の時間割」というお題でお話をする機会に恵まれました。3月12日 午前7時放送開始予定です。
(下記をクリックするとリンクに飛べます)

放送終了後は、こちらにもリンクを貼るつもりです。

実は、今回の放送が、奈緒さんとはじめて直接お話する「初めまして!」。

芳麗さんからよく奈緒さんのお話を伺っていたので、
「初めまして」という感じでもないのですが(笑)。

どんなお話になるのか、今からとても楽しみです。

50代の時間割。
暮らしを見直すヒントになる時間になれば嬉しいです。

すべての記事一覧はこちらです