2018.3.2
あの時点で、「本当に、行けるかな?」と、自分で半信半疑だった。
熊谷守一展は、国立近代美術館(竹橋)でやっていて、
昨日は、小学館さん(神保町)での打ち合わせがあった。
仕事の資料が旅行のキャスター1つ分あって
それをコロコロ連れて見るのもどうかなぁ? と思ったけど、
「別の日にまた」とかやっていると、見逃す自信があった。(どんな自信だ?)
だから、キャスターをコロコロ連れて見る覚悟で入場したら、
「受付でキャスターをお預かりしますね」と申し出てくれた!
国立系の美術館は全てコインバック式のロッカーがあるけれど、
こんな大きな荷物も預かってくれるんだ!
打ち合わせの時は、資料の山と一緒に移動することが多いので
キャスターを預かってもらえるんだったら、
●
展示は彼の年齢順になっていたけれど、
晩年の部屋は、「熊谷守一になる」という感じのタイトルがついていたほど。
シェイクスピアを読んだ時、
「この人、コピー上手いな!」と思ったのと同じような感覚で、
熊谷守一の絵は、グラフィックデザインなんだと感じた。
彼の絵を見ていると、心地がよい。
「絵画でございます」みたいな重さがない分、
生活の中にあっても、邪魔にならない感じ。
色使いも、吹っ切れてていて、
ありきたりな言葉で言えば、斬新! なんだろうけれど
その舵の切りっぷり、潔さのようなものが、生理的に好きな感じだ。
彼の初期の作品は、すごーーく暗い色使いだし、
富裕層の出身なのに絵が描けなくて貧窮にあえぎ、
医療費が払えなくて子どもを亡くしたりと大変そうな人生だったのに、
晩年の彼の絵は、いろんな意味でふっきれていて、
それが格好良かった!!!
ちなみにシェイクスピアは、
「人類初のコピーライター」と言われることもあるそう。
●
絵を見る自分。の体感が、少し変わったなと感じたので書いておく。
学生時代の専門が芸術史だったせいか、
絵を見る時、どうしても蘊蓄(うんちく)が気になってしまう。
その作品が描かれた時代背景だとか、作者の人物像とか、
芸術史の中のその作品の位置づけとか。
今回、閉館までの時間が限られていたから、
ざ~とみて、ただ、感じる。みたいな、見方をした。
それが、すごく心地よくて。
展覧会まで、私の彼の印象は、
それを検証してみましょう!
【家から出ない人】
家から出なかったのは、76歳で脳卒中を患った後30年だけで
写生旅行が必要な絵もたくさんあった。
【変わり者】
「これ以上人が来てくれては困る」と文化勲章と勲三等を固辞したそう。
世俗的なことには、本気で興味がなかったのかもしれないですね!
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