2021.8.30
読売新聞社の医療サイト「ヨミドクター」編集長の梅崎さんを、
私は、普段、梅さまと読んでいる。
まえがきに、こんな言葉がある
+++
障害のある子どもを育てていると、不幸だとか、かわいそうだとか、
そんなふうに思われることがある。
(中略)
とりわけ過酷でも、理想的でもない、いたってフツーな日々を過ごしている
わが家のストーリーが、こうして本になることは自分でも意外だが、
+++
この本を、同じ障害の子を持つ若い親たちが読んだら、
どれほど安心するだろう、と思った。
巻末に松永正訓医師との対談が掲載されているが、
そこにこんな記述がある。
「僕は仕事柄、闘病記を読むのが好きで、患者さんの手記も読むんですけど、
今まで読んだものとは違って、とにかく力の抜け方が良かったんですよねえ」
障害や闘病について、当事者が「叫ばずに書く」というのは、
とても技術がいることだと思う。
深刻だったり、過度にポジティブな文章は、
「ニュートラル」から針が振れている分だけ、
読むのに、負荷が伴う。
叫び(出したい衝動)がある、
マグマのような感情を『ろ過』して書くのは、難しい。
一方で、根底に「叫び」がない文章は、読む人の心には、届かない。
叫んでいないのは、梅さまの文章スキルもあるのだろうが、
感情を『ろ過』する、年月の積み重ねがあったからだと思う。
そこに、文字通り「重み」があると思った。
当事者でしか知り得ない(発信できない)情報の記載も多いので、
若い親御さんにとっては、生活を支える「実用書」ともなるだろう。
「安心して、手渡せるかどうか?」に、私がここまでこだわるのは、
私自身、「うちの子、発達障害かもしれない」と思った時に、
片っ端から、その手の本を読んで、暗澹たる気持ちになったからだ。
●
梅さまとのお付き合いも、かれこれ20年くらいになる。
最初に出会ったのは、eikoさんの事務所だった。
eikoさんは、こんなふうに言っていた。
「ぴかりん、仕事をしていく上で、
梅崎さんみたいな人と、お付き合いをしていきなさい。
マスコミ業界には、頭がいい人は、たくさんいる。
世の中には、人柄がいい人が、たくさんいる。
eikoさんは、数年前に天国に行ってしまわれたが、
旅立つ数日前に、梅さまと一緒にお見舞いに一緒に行ったら、
とっても、喜んでくれたっけな。
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