2023.11.7
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質問者 : 楢戸ひかる
回答者 : 富岡美織・北の星東札幌保育園園長 プロフィールは、こちら。
ワーって泣かれると「ひでぇ迷惑」と思うけど、やっぱり拍手喝采だよね。
これは「もっと、もっと、構ってよ」ということ。
つまり。「もっと、もっと、人と関わりたい」ってことだし、「お母さんのこと大好き」ということだから。
泣くという要求が低いのは心配だよね。
「お母さんのこと、好きじゃないのかな?」と。
要求することは、すごく大事だと思うんだ。
低い子は低い子なりに、要求が出ないと厳しいと思う。
たとえば、物が欲しい時に心の中で、「欲しい、欲しい」と思っていても、相手には伝わらない。
そんな時に「これを欲しい」とすぐ言える人もいれば、「言いにくいな、言いにくいな。でも欲しいから言おう」と思ってから言う人がいるのは、個性だと思う。
この例で言ったら、「欲しいと言いにくい個性」の人が、「言わなくていいのか?」といったら、それは違う。
要求の仕方は違っていいけど、要求は出すべきものだと思っている。
そして要求は大人が出させてあげる努力をすることが必要なんだ。
そうしたら、その子の反応の仕方を探るよね。
よく見ていると、あんまり泣かない子でも、たとえば「オシッコが出たら、動いている」というのを見つけられるかもしれない。
それがわかったら、その子が動いていたら「オシッコ、出ているの?」と、アプローチする。
そうすると「こうすると刺激してくれるんだ」とわかるから。
一番おっかないのは、サイレントベビーにしちゃうこと。
個性として要求が弱いというのは、こっちでよく観察してあげれば、その子なりの出し方をわかってあげられる。
要求を放置しておくと、「どうせオレが要求をしたって放っておかれるんだ」と、子どもは諦めちゃう。
そうなったら本当に怖い
見ていたら、要求の出し方が弱い子は弱い子なりにシグナルを出しているから、それを見失ったらいけないと思う。
この子のシグナルの出し方って何だろう?
出方が弱いっていうのは、何かあるかもしれない・・と探ってあげる気持ちね。
無理に探さなくてもいいんだ。
たとえば泣くという要求はしないけれど、「食に対しての意欲はどうだろう?」と考えてみる。
ミルクの飲みもいいし、ぐっすり眠れるんだったら、泣くという要求の出方が弱くてもそう心配はない。
反応も弱い、食も細い、だったら、それは怖い。
個性で片付けては許されない問題だよね。
それから要求が出るまで待ってあげるのも大事。
その子が自分を出せるようになるまで待つ。
一歳で出せる子もいるし、小学校で出てくる子もいる。
それを、しっかり観察してあげる。
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