2023.11.8
目次
質問者 : 楢戸ひかる
回答者 : 富岡美織・北の星東札幌保育園園長 プロフィールは、こちら。
人間の体は、口から入ったものでしかできていない。
自分の口から何をいれるか? どうやって食べるか? 誰と食べるか? 全てが生き方だし、人生だと思う。
オッパイを飲んでいた子が、自分の力で食べ物を噛み砕く。
つまり離乳食を食べ始めたということは、自分で食物を噛み砕いて体に合わせて体に取り込むことを始めたということ。
これは、「人生を主体的に生き始めた」ということだと思っている。だから園では「自分で食べる」ことを、とても尊重している。
人間の場合は、「エサ」ではなく「お食事」なんだ。
だから「口を開けて何かを入れてもらうのを待つ。何が入ってくるかわからない」。それでは困る。
食欲は、生命欲だと思っているの。
自らが、「食べたい」という意欲を持つ。
その出発点だから、0歳であっても「人間として尊厳を持ってお食事をする」という考え方ね。
もちろん食べ物を口に入れてあげもするけど、自分でも入れてみたいという気持ちは大切にしている。
大もとは食べ物をやわらかく煮ておけばいい。
「何ケ月になったらこれをする」というのは、特にないんだ。
歯の生え方だって、子どもによって違うから。
固形のものは、その子が食べやすいように、すりつぶしたり、刻んだりする。
基本は、そういうこと。
ある程度、まんべんなく離乳食を食べられるようになって、便の調子もおかしくないようだったら、手に食べ物を持たせてみる。
そうなる前にスプーンをつかんだり、お皿にある食べ物を触ろうとしたりしたら、持たせてあげるのもいいね。
もちろん、口に入れようとしても入りはしない。
たまたま入っちゃったりすると、本人が一番ビックリしちゃったりしてね(笑)。
御飯はわりと、とっつきやすい。だから五~六種類の野菜から食べ始めて、その後に出すようにしている。
一歳に近づいて、白身魚などもでてきたら、それは最後。
まずは野菜、汁物。最後に御飯と動物性たんぱく質。
それを二歳まで続ける。
日本食のマナーは、「食卓に全部揃えてから食べる」というのがある。
だから「順番にあげるなんて、かわいそう」という意見もある。
私は逆の発想なの。
まんべんなく食べることが大事ということが理解できない年齢なのに、全品並べちゃうと、まず肉類を食べる。
それで「ダメでしょ、お野菜食べなきゃ」という方が、かわいそう。
見せておいて、「肉は後だよ」というのはないでしょう。
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