2023.11.20
先日、梶取さよりさんにお誘い頂いて、「午後のひとときコンサート 四季を描く唱歌の世界」に、行ってきた。
梶取さより 朗読・メゾソプラノ
なかむら りえ ライアー・ソプラノ
やぐち ゆみこ 四季の花と虫たちの絵葉書
この3人のコラボのコンサートだ。
検索してみると、こんなふうに出てきた。
歌を歌うこと。特に、旧制小学校の教科の一つ。そのための歌曲。
「旧制小学校」という言葉が出てくると、教育ライターの血が騒ぐ。ウィキってみると、ざっとこんな感じ。
1910年(明治43年)の『尋常小学読本唱歌』から1944年(昭和19年)[2]の『高等科音楽一』までの教科書に掲載された楽曲。当時、文部省は作詞者・作曲者に高額な報酬を払い、名は一切出さずまた作者本人も口外しないという契約を交わした。「国」が作った歌であるということを強調したかったのだとも言われる。
それにしても、「なぜ、明治43年なんだ?」という問いが生まれる
江戸から明治にかけて「文明開化」をした流れで考えるならば、「43年間も、何をやっていたの?」って、思うのだ。
それも少し調べてみた。ご興味のある方は、コチラ。
明治初期にはじまる唱歌による音楽教育の萌芽から国定教科書編纂までの流れを概観すると、和洋折衷による国楽創成をめざした伊沢修二らの努力は、約半世紀を経て一つの帰結を見たと言えるだろう。
唱歌教育と童謡復興運動にみる初等科音楽教育への
提言についての一考察
外国人児童支援の本を作ったことで、アジアの中には、「読み書き」しか教えていない国があることを知った。(授業として、体育や音楽がない国があるということ)
ギフテッド支援の本を作ったことで、世界の公教育という視点を得た。
これらの経験を経て、「公教育には、お国柄が出る」と、思う。
「音楽」 + 「国家教育」となると、しみじみと、色々と考えてしまう。
今回は、さよりさんの朗読で、唱歌の歌詞を味わった。
私が、「唱歌って、何?」と思ったのは、「唱歌にしてまで、子供たちに伝えたかった日本語(及び日本の風景)って、何なの?」と、思ったからだ。
その前段として、さよりさんの朗読で、初めて「唱歌の歌詞」に触れた気がした。
たとえば、早春賦。
メロディーは誰もが知っていると思うけれど、歌詞となると、この字面を「見たことがある」と思う人は、どれくらいいるだろうか?
作詞者:吉丸一昌
作曲者:中田章
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず
氷融け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空
春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
歌詞は、メロディーに引っ張られてしまうんだなぁ~というのは、大きな発見でした。
さよりさん、太宰治の朗読の時とは、全く異なる朗読だった。
太宰の時は、太宰の文章が乗り移っている感じだったけれど、今回は、歌詞と上手に距離をとっている感じがした。
朗読する作品によって、さまざまな姿を見せて下さるのが素敵です!
今回、ライアーという楽器を初めてみた。奏者のなかむらりえさんが、ライアーのことをこんなふうに教えて下さった。
ライアーは、シュタイナー教育の一環として生まれ、100年くらいたつ。432ヘルツでチューニングするので、心の内声、風の音ともいわれる。障害のある子どもたちにとってはピアノなどだと音が強すぎることから、ライアーが使われることも多い。
ちなみに、オーケストラは、442ヘルツでチューニングします。確かに、オーケストラの「じゃじゃじゃーん」という高い基準音は、繊細な子には厳しいかもしれない…。
日本では、「千と千尋の神隠しで使われた楽器」と言えば伝わりやすいだろうか。
耳を澄まして聴く感じの音色です。
冒頭のパンフレットのイラストは、やぐち ゆみこさんが担当されたそう。
やぐち ゆみこさんのイラストからは、「絵を描くのが楽しい!」という気持ちが伝わってくる。
高校の教科書の表紙絵も担当されているそうだ。
今年の玄関クリスマス装飾は、やぐちさんのイラストを中心に組み立ててみました!
2024.6.4 更新
2023.10.5 更新
2018.4.27 更新
2024.12.5 更新
2024.12.4 更新
2024.12.4 更新