2023.12.11
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昨日、12月10日は、私が所属するオーケストラの冬の演奏会、本番だった。
この一文で始まる過去のブログは、いつも感情にどっぷり浸ったエモーショナルなトーンだ。
【例】幻想交響曲、さようなら!
なのだが。これを書いてる12月11日 午前11:11分は、仕事脳が動き始めている。
それが、良いか悪いかを論ずるのも面白いが、体感としては「こっちの方が楽だなぁ」とは思う。
今回、感情に引っ張られなかったのは、新しいビオラの先生(浅井先生)が救命ボートの役割をして下さったことが大きい。
演奏会までの3か月間で6回、月に2回のペースでレッスンを受けていた。
その全ての時間を、「プロコ譜読み」に充当させてもらった。
一方で、毎日、「今日、練習したことは何か。明日は、何を練習するのか」を言語化すべく、レッスンノートを書いていた。
言葉を使って、音楽と折り合いをつける練習。そんなことを今期は学んだ気がする。
演奏会後のレセプションでは、指揮を振って下さった三石先生が、「自分の中から湧き出る音楽を演奏して下さい」と、何度もおっしゃっていた。
そんな先生のお言葉と、今の自分の気分が合致した。
これまでは、「全然弾けない私」みたいな存在ばかりに着目しちゃっていたけれど、「今、ここで弾いている自分」に寄り添って、「今、弾ける分を弾く」という気持ちを大切にしていきたいなと思った。
要は、「弾けない・弾けない」という呪文を唱えて思考停止していないで、「今、弾ける部分」を、しっかり弾くことを味わうという感じだろうか。
今回の演奏会でコンサートマスターを務めたのは、ユッコ。
私が、オーケストラ復帰を相談した張本人である。相談した日の話は、コチラ。
今、思えば、ユッコに相談している時点で、復帰する気だったんだと思う。
で。
今回のプログラムは、コンマスやファーストバイオリンのソロがたくさんあった。ザッツ(演奏・フレーズの弾き始めや、長い休符後の入りのこと)以外でも、ユッコがオーケストラ全体の拍子をとる役割をしている箇所もあった。
重責すぎて、私だったら病むレベルだなぁ~って、毎回の練習のたびに思っていた。
けれども、ユッコは涼しい顔をして、淡々と演奏をしていた。そして、彼女の音色の美しいことったら!!
惚れ惚れして、毎回、眺めておりました。
レセプションの後、ユッコとお茶をした時、「ソロとか緊張しないの?」と聞いたら。
緊張とかしている場合じゃないもん。自分がどう思われるかということよりも、いかに、うちのオケのパフォーマンスを引き出すかだけを考えている。そんな趣旨のことを言っていた。
その境地、わからなくもない。
ライター業においては、「自分の原稿が、どう評価されるのか」という次元は、私も通り過ぎている(と、思う)。
自分のエネルギー(原稿)を、いかに世の中に役立てるか? みたいな視点で物事を考えている感じ。
ユッコは、そういう次元でオーケストラをやっているんだなぁと思った。
ユッコとまではいかずとも、私も、もう少し広い視野でオーケストラと関わっていきたいと思い始めました。
言ってるだけで、また、ウダウダしたことを、ここに書くこともあるとは思いますが。
ひとまずプロコフィエフを弾き終わった翌朝は、そんなことを考えたことを、書いておきます。
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