2023.10.5
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今年の8月、泰次郎先生の姪御さんである寵子さんから、泰次郎先生が、何の予兆もなく、眠るように息を引き取られたという連絡を頂いた。
この夏、泰次郎先生とは、寵子さんのご自宅で、何度がランチをご一緒していたこともあり、「著名人の死」というよりは、身近な方が亡くなった時のような喪失感だった・・・。
この出来事を、どう捉えたら良いのか? 私の中で、うまく整理がつかないまま、月日だけが流れていた。
泰次郎先生を偲ぶ演奏会は、先生が芸術監督を務められていた初台にあるオペラシティで行われた。
ロビーには、先生がお使いになったスコアや指揮棒、記念演奏会のフライヤーなどの展示もある。
私は開場をめがけて到着したので、何とかスコアを見ることができたが、その後は長蛇の列。
その列に並んでいる方々は、一目、泰次郎先生の足跡を見たいと並んでいるのだと思うと、すごいことだよなぁ~と思った。
演目は、以下の三曲。
ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
ワーグナー 楽劇 「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛と死
ブルックナー 交響曲第9番
ワーグナーは愛と死に至る演目、ブルックナーの交響曲は未完と遺作(スケッチなどは残されていたと指揮者の方が演奏会前に説明して下さった)
ブルックナーを聴いている時に、「泰次郎先生の指揮って、やっぱりすごかったなぁ~」って、しみじみ思った。
今年の4月、こんなブログを書いた。
「国宝級というのは、こういうことなんだ」と、体感させて頂いた感じ。
ブログの結論は、上記の通りなのだが、別次元を見せてもらった。
そして、「泰次郎先生が指揮をするお姿を、もう見ることはないんだ」ということが、腑に落ちた気がした。
私は、その日、体調が芳しくなく、日中は寝込んでいた。
行けるか、行けないか、迷うレベルの体調だったが、行って良かった!!!
今回の演奏会を指揮されていた高関健さんは、「飯守さんから伝えてもらったことを、どうやって自分たちの演奏で表現していくかを考えている」といった主旨のことを語っていらした。
先生の音楽を継承していくであろう音楽家たちを見ることができて、音楽仲間の中に脈々と流れているんだと思った。
ご冥福をお祈りします。
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