「開館50周年記念 モダンアートの街」という美術展に行ってきた。

新宿で50年前に美術館が生まれる!
SOMPO美術館はご存じだろうか? 「新宿西口のあの特徴的なビルでしょ?」「ゴッホのひまわりがあるよね?」くらいのイメージでしょうか。
SOMPO美術館は、50年前に新宿に開館したそうです。以下、美術館のHPより抜粋します。
1976年7月、SOMPO美術館は新宿に開館しました。このたび、SOMPO美術館の開館50周年を記念し、新宿をテーマとした展覧会を開催いたします。
日本の近代美術(モダンアート)の歴史は、新宿という地の存在なくしては語れません。明治時代末期の新宿には新進的な芸術家が集まりました。そして、新宿に生きる芸術家がさらに芸術家を呼び込み、近代美術の大きな拠点の一つとなりました。本展は、中村彝、佐伯祐三から松本竣介、宮脇愛子まで、新宿ゆかりの芸術家たちの約半世紀にわたる軌跡をたどる、新宿の美術館として初めての試みです。
松本俊介「立てる像」、林芙美子の二つの肖像画
まずは、展覧会の「顔」となった松本俊介の《立てる像》をチェックせねば! 松本俊介は、1912年生まれの洋画家で幼少期に聴力を失いながらも制作を続け、戦時下でも時流に迎合しない姿勢を貫いた。戦後まもなく36歳で早逝した。

あった!!

えーっと、ごめんなさい。これは、「自分の目で見ました」という確認だけで感想は特に生まれなかった。。。美術品(だけでなく表現物全般)とは、「相性」があると思う。この絵は、私の中に何かを引き起こすものではなかった、ということ。
無理せず、以下、徒然と思ったことを書いていきます。
岸田劉生《武者小路実篤像》
普段、絵を見る時に制作年は気にしていないけれども、時代と場所。そんなことにフューチャーした展覧会だったせいか、制作年をチェックしてみたり。これは1914年とある。


岸田劉生が「白樺」の表紙を長きに渡って書いていたことを、今回、初めて知った! から~の岸田劉生作の「武者小路実篤」像。「なるほど、こういう文脈で見るのね」と、面白い。
林芙美子の自画像2つ
この時代の「新宿界隈」といえば、林芙美子は外せない。

上記は、林芙美子自身による「林芙美子自画像」。背景をピンクにしちゃうとか、「小説家」っぽい性格だと感じる。小説家っぽい性格って、アバンギャルド(前衛的)な感じとか、虚実ないまぜとか、そんなイメージです。

対して、こちらは林芙美子の生涯の伴侶だった手塚緑敏(てづか・りょくびん)という画家による林芙美子像。林芙美子作の自画像を見て、小説家っぽい性格だったであろう林芙美子は、「本来の自分」と、「作家である林芙美子」とのイタチごっこを繰り広げていたような気がした。
そんな林芙美子を、手塚さんは、何の色眼鏡なく眺めていたのではないか? 芙美子の自画像の中に影として映り込んでいる男性の姿は、手塚さん自身!? 「林芙美子を支えているのは僕なんだ」という自負を感じるのは私だけでしょうか? 妄想は、このあたりで切り上げて。。。
中村つね(漢字出ず)《カルピスの包み紙のある静物》
「カルピス」という現在も残っている商品をモチーフにしているからなのか、強烈に記憶に残った。制作年は1923年。「100年以上も前も、カルピスはあったのか!」と。

以下、絵の説明から抜粋。
本作は一連の静物画の中でも異彩を放つ。カルピスは相馬愛蔵からの見舞いの品としてもらってから気にいったもの
相馬愛蔵とは、新宿・中村屋の創業者さんです。今、調べてみたら、こんな記述が!
妻の相馬黒光とともに1901年に中村屋を創業しました。パンや菓子の製造販売だけでなく、芸術家や亡命インド人革命家らを支援する文化サロン的役割も担いました。とくにインド独立運動家ラス・ビハリ・ボースをかくまい、「中村屋カリー」の誕生につながったことでも有名です。
新宿中村屋のカレーは大好きなので、次回に行った際には、上記を「うんちく」として語ろうかしら!?
東郷青児をしみじみと
そしてSOMPO美術館の「核」となる作品群である東郷青児さんの絵を、しみじみと愛でさせて頂きました。SOMPO美術館初代名称は「東郷青児美術館」で、洋画家・東郷青児の作品を中心としたコレクションの展示を目的としてスタートしています。



この絵はミュージアムカフェのカップホルダーにも使われていました。(以下)布バッグなど、グッズの図版としても使用。

ミュージアムカフェでお茶
見ごたえのある展示だったので、終わった後は、どっと疲れた。一緒に行った夫に、「どこかでお茶しない?」と言ってみたらば。
ミュージアムショップの横にカフェがあるではないか!

演奏会が終わった後に語りたくなるように、展示を見終わった後に、作品リストを見ながら脳内で作品を反芻する時間は悪くない、と、今回、思った。てか、むしろ必要でしょ! と思った也。
これまで美術館展は、ほぼ「見たら見っぱなし」だったけれども、こうして思い返してブログを書く時間は豊かだなぁとあらためて。
作品を実際に見てみると作家さんそのものに興味が湧くし、そうなると記念館などにも行ってみようと思う。新宿区立の林芙美子記念館があるらしいから行ってみよう! と【HP】を確認してみたら、「佐伯祐三」と「中村つね(漢字がある)」の記念館的なアトリエも近い? 両者とも、(ブログではとりあげなかったけれど)、新宿のモダンアートという軌跡上は、絶対的な存在で大きくとりあげられていました。
林芙美子の放浪記を読んでみよう! とか、記念館に行った後、中村屋アートサロンに行って中村屋のカレーを食べよう! とか。次なる興味が連鎖していくのが面白いな。