年に数回ヨーロッパに弦楽器を仕入れに行く、楽器商の「Tぴー」と、
夫がヴァイオリニストのKぴょん。
(本人もアマオケ界では有名なビオラ弾き)と、ランチをした。
ひとしきり、Tぴーと、Kぴょんが繰り広げる
ディープな音楽話を拝聴。 嗚呼、贅沢なひととき。
その後、こんな会話に
Tぴー「僕、○○(アマチュアオーケストラの名前)では
ビオラカウントになっているんだよね」
※ビオラカウント:
慢性的に人数が足りないビオラ。アンサンブルを成立させるために
「ヴァイオリン」と「ビオラ」、両方を弾けるようにする人もいる。
Tぴーもそうだけれど、そういう人は
人手が足りているヴァイオリンではなくビオラの戦力にされがちという意味。
私 : 「へぇ、そうなんだ。で、Tぴーは、ヴァイオリンとビオラ、
どっちが好きなの?」
Tぴー : 「そりゃ、ヴァイオリンでしょ。ずーっと1stバイオリンを弾いてきたから
最前線でメロディー、ガンガンに弾きたいわけよ。
一番、目立ちたいわけよ。
人を支えて嬉しいとか、僕にはありえない」
マジすか!?
それで思ったこと。
フリーライターは、ピンでする仕事。
原稿を書くのは、もちろん一人だし、
取材だって、頂いた取材時間中に取材(書くための材料)を引き出す必要があるので
若い頃は、毎回、「取材=リングに上がる」的な緊張感があった。
つまりは、「自分だけが頼り」な仕事なのだ。
フリーライターという組織に属さない働き方になって、18年(長っ!)
すっかりピンでいる癖
がついてしまったけれど、
本来、私はビオラのような立ち位置が好きな人間。
※ビオラのような立ち位置:
誰かのメロディーに、自分の音を重ねた時のハーモニーの調和にウットリする。
高音部と低音部を繋げる、接着剤のような役目を果たせてると充足感がある
私 : 「やっぱ、私、ビオラが好きだな」
Kりん : 「そうだよ。アナタは、そういう人。このところ、
アナタの性格が崩れてきたような気がしていてさ。
それもあって、オーケストラに強引に戻したんだよね」と。
私も悪い部分もわかって、
それをどうにかしてくれようっていう友達がいるのは
本当にありがたい!
それとともに。
これまではフリーライターとしては、自己完結しがちだったけれど、
今後は、仕事の上でも、ビオラ奏者として培った
全体の中でのハーモニーの重なりを味わう、みたいな感覚も大切にしていきたい。